それでも歌はつづく

夜の風

缶ビール片手にほろ酔い気分で

ギターを爪弾いた

突然

すべてをかき消すサイレン

止まるインスタライブ

僕はギターを爪弾いた

街の色

綺麗になったのかと物見遊山で

肩で風切った

薬局

レジ前の新入荷マスク

起き上がる心臓

僕は足早に帰った 

いつ死んでもいいよ

そう思える日が送れたら本望だな

でもその日は突然

あのサイレンとともに

くるのかもしれない

不確実な果実を噛み締めながら

夏がくる

見えない敵と闘って

幾つもの涙が空へ飛んだ

青い空

悲しみを無視するサイレン

終わりの恐怖を抱えて

ギターを爪弾いた

僕はギターを爪弾いた

明日世界が終わるなら

御伽噺じゃなくそう思えてしまうな

闇雲に抱える漠然

あのサイレンが

打ち負かしてくれればよかった

まだ終わりじゃないよ

裏で何かが蠢きたっているな

まっさらにできない未来

価値観のプレートにのって

ギターを爪弾いた

僕はギターを爪弾いた